シンポジウム「木質バイオマス熱エネルギーと地域通貨の活用による循環社会の構築を目指して」のお知らせ

これまでRISTEXで行ってきた研究に関して、シンポジウムを開催します。ご関心のある方は是非参加ください。オンラインからでも参加できます。

日時   2024年12月6日(金曜)13時30分~16時00分

会場   une(うね)  山形県最上郡最上町富澤2344

オンライン併用(オンラインの方は後程zoomお送りします)

参加費   無料

申込み   https://forms.office.com/r/5tzBMCRqi5  

趣旨

脱炭素社会や循環型社会の実現ために、木質バイオマスエネルギーの活用が着目されています。木質バイオマスがもつエネルギーを効率的に使うためには、熱の利用が鍵となりますが、日本では木質バイオマス熱利用はまだ進んでいない状態です。

そこで、デジタル地域通貨を活用し、木質バイオマスの熱利用を進めるまちづくりについての検証を始めています。本シンポジウムでは、木質バイオマス熱利用を阻害する要因、木質バイオマス熱利用を進めることで得られる経済や社会、環境面での効果などを明らかにしながら、脱炭素に貢献し、循環型社会を進めるための仕組みづくりとして、デジタル地域通貨の可能性について議論することを目的としています。

<地域通貨を用いた理由>

木質バイオマスの熱利用を普及させるためには、山から木材を切り出す人、薪やチップ、ペレットなどに加工する人、そしてそれらの木質バイオマスエネルギーを使う人など、川上から川下までさまざまなステークホルダーが同じような理念をもっている必要があります。そこで、いろいろな人たちの理念を結ぶ役割として、地域通貨を活用し、木質バイオマス熱利用を普及させる仕組みづくりについて検討しています。

今回現地開催の会場となっている山形県最上町では、「脱炭素」、「経済循環」、「良好な社会資本形成」を目指したデジタル地域通貨の実証実験を行っています(2025年1月20日まで)。なお、本企画は、国立研究開発法人科学技術振興機構)のJST-RISTEX 政策のための科学プログラム「木質バイオマス熱エネルギーと地域通貨の活用による環境循環と社会共生に向けた政策提案」プロジェクトの研究開発の一環で行います。

内容

13:30~13:45 開会挨拶・趣旨説明(島根県立大学 豊田知世)

13:45~14:00  「木質バイオマス熱利用の制度と受容性調査による制度政策提案」

  • 東北芸術工科大学 三浦 秀一(動画予定)

14:00~14:15「森林資源・木質燃料利用におけるボトルネックの解明とその解消のための提案」

  • 岩手大学 原科 幸爾

14:15~14:30「木質バイオマス熱利用の社会的価値とインパクト」

  • 東京都市大学 横田 樹広

14:30~14:45 「木質バイオマス熱利用と地域通貨よるシナジー効果」

  • 島根県立大学 山﨑 慶太

14:45~14:55 休憩

<地域通貨・実証実験>

14:55-15:05 最上町と地産地消エネルギーについて     

  • Mocchie もがみ地産地消エネルギー合同会社 赤川 健一

15:05-15:30  「木質バイオマス熱利用を促進しつつ地域社会・経済の活性化を促す、持続的な地域通貨の管理・流通デザイン」

  • 上越教育大学 吉田 昌幸・他

<質疑応答・意見交換>

15:30-15:55   コメント・意見交換 

  • 最上町役場商工観光課 エネルギー産業推進室

15:55  閉会あいさつ

RAMICS 2024@Romeにて報告

イタリア、ローマのCNR SSIRFAにて2024年11月6日から8日にかけて開催された7th Biennal RAMICS International Congress において、2つ報告をしてきました。

ひとつは、グッドマネーラボの研究員として、トルコでプロシューマー経済を促進するためにポイントシステムを導入しているGood4Trustの事例を紹介したものです。

  • A comparative study of the community point system and community currency system: based on a case of the Good4Trust in Türkiye (Masayuki YOSHIDA, Ken-ichi KURITA, Yoshihisa Miyazaki, Maen ALARAJ, Makoto NISHIBE)

もうひとつは、現在RISTEXの研究で山形県最上町にて実証実験中のデジタル地域通貨Geneについてのものです。

  • Development of a digital community currency system to promote the use of woody biomass thermal energy: A case study of Mogami, Japan (Masayuki YOSHIDA, Tomoyo TOYOTA, Shuichi MIURA, Shigeto KOBAYASHI, Yoshihisa Miyazaki, Masayuki FUJIWARA)

学会参加の様子はこちらからごらんください。

いずれもプロシーディング段階ですが、ご関心のある方はご連絡ください。

『人口減少期の農林地管理と合意形成』の出版

香坂玲編『人口減少期の農林地管理と合意形成』ナカニシヤ出版が出版されます.

第4章の「ゲーミング・シミュレーションを用いた持続的な木質バイオマス熱利用のための地域通貨導入プロセスの設計」を豊田知世(島根県立大学)先生と共著で書いています.地域通貨導入のための住民の合意形成を支援する仕組みとしてゲーミング・シミュレーションを用いた研究になっています.

ぜひご覧ください

進化経済学会2023年度 福井県立大学における発表

2024年3月16日から17日にかけて福井県立大学で進化経済学会が開催されます。

今回の学会では、一般報告として「地域経済循環を体験するゲーミング・シミュレーションの開発」(吉田昌幸・小林重人・宮﨑義久・藤原正幸)を報告し、ポスターセッションにおいて「木質バイオマス熱エネルギー活用を通じた地域経済社会の持続的発展のためのデジタル地域通貨導入政策の研究」(吉田昌幸・豊田知世・三浦秀一)を報告します。

ポスターについては、研究業績の方にあげていますのでご関心のある方はどうぞ。

IJCCR特集号のお知らせ

昨年9月に高山市で開催された第5回貨幣革新・地域通貨国際会議飛騨高山大会の大会特集号がIJCCR(International Journal of Community Currency Research)誌から出版されました。

今回も私がGuest Editorとして編集を行い、10本の論文が掲載されています。ご関心のある方はどうぞご覧ください。

また、今回は、私の研究グループで行った日本の地域通貨発行組織への質問紙調査の結果を分析した論文も併せて掲載されています。2016年のまだデジタル地域通貨が多く発行される前までの、日本の地域通貨発行組織がどのような理念を重視しているのか、そして自らの発行した地域通貨をどのように評価しているのかについて分析しています。

2016年までのアナログ地域通貨とデジタル地域通貨の発行形態の違いに応じた発行組織の理念や自己評価の比較も行っています。現在のデジタル地域通貨がこれまでのアナログの地域通貨と類似している点や異なる点についてご関心のある方は是非。

Yoshida, M, Kobayashi, S, and Miyazaki, Y (2021) ‘Relationship Between A Community Currency Issuance Organization’s Philosophy and Its Issuance Form: A Japanese Case Study’ International Journal of Community Currency Research Volume 25 (Issue 1) 1-15; www.ijccr.net; ISSN 1325-9547; DOI http://dx.doi.org/10.15133/j.ijccr.2021.001

JNTO 「2020年度国際会議誘致・開催貢献賞」受賞

2019年9月に岐阜県高山市で開催された、第5回貨幣革新・地域通過国際会議飛騨高山大会(RAMICS2019)が、日本政府観光局の2020年度国際会議誘致・開催貢献賞 国際会議開催の部(中・小規模)に受賞しました。

https://www.jnto.go.jp/jpn/news/press_releases/pdf/20210129_4.pdf?fbclid=IwAR0xjTzgorwTAM6X-dCYjHU5ng6-LYIwP4eHQG79SeomADY5FmLjTbSzSOY

高山市のインバウンドの取り組み、国際会議を通じた地元住民の取り組み、大会期間中に地域通貨を発行する試みなどが評価されたようです。高山のエネポやさるぼぼコインなどとの連携で国際会議を開催できたことが評価され、非常に嬉しく思います。

ここで発表された論文などはすでにIJCCR、EIER、JPE誌などで特集号が組まれ、本年3月に出版されるIJCCR誌においても特集第2号として掲載されます。また、これに関して2月25日13:20からオンラインでセミナーが開催される予定です。第二部で、「地域通貨を媒介とする世界の研究者と地元の行政・実践者のコラボを通じた産学官金融合型 MICE による地域活性化」と題して、大会組織委員長の西部忠(専修大学)氏と事務局長の小林重人(札幌私立大学)氏が話をすることになっています。

セミナー情報についてはこちらからどうぞhttps://www.jnto.go.jp/jpn/news/20210129_2.pdf

日本政府観光局HP:https://www.jnto.go.jp/jpn/

IJCCR 特集号のお知らせ

昨年9月に高山市で開催された第5回貨幣革新・地域通貨国際会議飛騨高山大会の大会特集号がIJCCR(International Journal of Community Currency Research)誌から出版されました。

今回私がGuest Editorとして編集を行い、8本の論文が掲載されています。ご関心のある方はどうぞご覧ください。来年3月には大会特集号の第2巻を出版する予定です。

建築トークイン上越2020のお知らせ

毎年10月に上越市で開催している、建築トークイン上越ですが、本年度は「語り継ぐ上越〜原風景から”現”風景へ〜」というテーマのもと、オンラインで開催されます。

10月10日と11日にかけてZoomを活用して行います。上越在住のゲストの原風景をもとにして上越市の新たな魅力を見つけることが今回のテーマとなっています。

本年度はオンラインのため参加費は無料です。関心のある学生はぜひ参加ください。本学の学生も参加予定です。自宅でできない方は本学で会場を用意しております。

参加希望の方はフライヤーに記載されているQRコードから参加申込をしてください。

日本における地域通貨の特性に関する論文掲載のお知らせ

International Journal of Community Currency Research (IJCCR)誌上に小林重人(札幌市立大学)、宮?義久(仙台高等専門学校)との共著論文 Historical transition of community currencies in Japan が掲載されました。1990年代から2016年までの日本における地域通貨の立ち上げた792の事例の特性を分析したものです。ご関心のある方はこちらどうぞ。

Kobayashi, S, Miyazaki, Y and Yoshida, M (2020) ‘Historical transition of community currencies in Japan’?International Journal of Community Currency Research Volume 24 (Winter 2020) 1-10;?http://www.ijccr.net; ISSN 1325-9547; DOI?http://dx.doi.org/10.15133/j.ijccr.2020.001

2019年度進化経済学会賞受賞

共著者として関わった西部忠編『地域通貨によるコミュニティドック』専修大学出版会が2019年度進化経済学会賞を受賞しました。進化主義的制度設計という理論枠組みや、それをもとにしたコミュニティドックという観点から地域通貨の導入をとらえる政策論、そして国内外の実践調査結果が掲載されています。

2019年度進化経済学会賞受賞作品決定のお知らせ